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映画感想 - イコライザー2

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映画『イコライザー2』 | オフィシャルサイト | ソニー・ピクチャーズ

 

★★★★☆

 

【あらすじ】

わたし、ロバート・マッコール!元CIAの凄腕エージェント!今はボストンでタクシーの運転手しつつ、困った人のためなら人殺しだってするお節介な男さ!今日も同じアパートの不良少年を正しい道に導いたり、女性に乱暴する男たちの腕を折ったりで大忙し!そうこうしてるうちに唯一の友人であるCIA高官が殺されちゃったからもう大変!これからわたし、どうなっちゃうの〜〜〜!?

 

A:犯人を探し出して殺す

 

 

 

【感想】

前作のイコライザーをご存知でしょうか。2014年に公開された二大「ナメてた相手が実は殺人マシーンでした」映画のうちの一つで、個人的にはかなりの傑作でした(もう一つはキアヌ・リーブス主演、ジョン・ウィックでこっちも大傑作)。敵対するロシアン・マフィアの不気味さ、最終決戦の舞台であるホームセンターで工具を駆使した戦闘シーン、妻を亡くしてから不眠症となったマッコールが人助けに自分の生きる道を見出す描写、同僚の青年の成長物語や深夜のダイナーでの孤独な客同士の交流など、どこを取り上げてもよい映画だったと思います。まぁ単身でロシアン・マフィアを壊滅させたり、石油タンカーを爆発させたりと荒唐無稽なところもありましたが…。

 

今作のイコライザー2はどうだったかというと、おもしろかったのは確かなんですけど、さすがに前作を超えることはできなかったなという印象です。

 

前作では偶然出会った少女を救うためにロシアン・マフィアを壊滅にまで追い込むのですが、今回では割と私怨です。CIAの記録上は死亡扱いされているマッコールにとって唯一の友人、それがCIA時代からの上官、スーザンだったのですが、彼女が殺されるのです。その報復のために犯人を探して殺すっていうのが後半の筋なのですが、なんというか、すごく痛ましいんですよね。前作では完全に勧善懲悪だったからスカッと見れたものが、今作だとマッコールと被害者、犯人との距離が近すぎてワクワクして見ることが難しくなってしまってるんです。マッコールのつらさや執念に共感を覚えてしまうがために、これを解決したとして彼の心は安らぐのか?とか思ってしまって切なくなってしまいました。

 

また、今作ではちょっと同時進行で展開する要素が多いような気がしました。同じアパートに住むマイルズという名の不良少年、タクシー運転手としての仕事、必殺仕事人としての仕事、スーザンの死と、わりと展開がコロコロするので目移りしちゃうような。

 

あとやっぱり残念なのが前作ほど敵の魅力がないっていうところでしょうか。なぜなら今回、敵の正体が明かされるのが後半になってからなんですよね。前作のいいところは、なんなら敵が自己紹介して堂々と宣戦布告するところなんですよね。それによって正義と悪っていうわかりやすい構図になっていた。今作はその「正義と悪」という枠組みを崩すこともテーマの一つだったと思うんですけど、そうなると当然わかりやすいエンターテイメント性は損なわれてしまったと思います。どっちがいいとかではありませんし、続編としてはまぁ正当な展開だと、いちおう納得はできます。でも前作のような豪快さを求めて見ると少しテンション下がっちゃうかもしれないです。

 

もちろんいいところもあって、思い切りのいい(よすぎる)殺しっぷりは健在です。相手が殴る前、いやそれどころか触れる前からもう殺す気満々です。前作でホームセンターに勤めていたマッコールさん、当時はガンタッカーなど、工具をフル活用して殺しまくっていたのですが、今作でもタクシー運転手として車中で殺したり、海辺のベーカリーで戦う時はモリや小麦粉で殺したりとワクワクさんばりの工夫を見せてくれます。更に今作ではナイフ術も披露してくれます。これはかなりカッコよかった。動きに無駄がなさすぎる。

 

さきほど「正義と悪」がどうのこうの言ってましたが、爽快さを削ぐ要素となってしまってると同時に、ありふれた勧善懲悪ものに対するカウンターともなっていて、見方を変えればこのストーリーはよいものだったとも思います。マッコールに殺される人たちはそれだけのことをしたのかもしれないけど、じゃあその人たちをためらいもなく殺すマッコールはどうなの?なんで償わないの?っていう。悪役にも家族や仲間がいて、ある意味仕事で殺人をするという点ではマッコールと同じだし、なんなら彼らから見たらマッコールって自分たちの領域を平気で脅かす存在なんですよね。正直、彼らの家族に笑顔で接触するマッコール、めちゃくちゃ不気味でした。

 

あとタクシー運転手をしてる中で垣間見る日常のシーンけっこうよかったですね。老人ホームのおじいちゃんとか就活生とか。前作のダイナーのシーンが美しかった記憶あるのですが、タクシーから見た街の景色とか、人々の姿とかもよかったです。ただマッコールの病的までの几帳面さみたいなものは前作に比べると記号的にしか処理されてないように見えたのは物足りなかったな。ドアバタバタするやつとか超不気味だったのにな。でもその分目が異常なまでにどこ見てるかわからないのは今作のマッコールの見せ方なのかもしれない。

 

結局今回でいろいろと区切りがついたっぽい感じなんですけど(妻の残した「読むべき名作リスト」を全部読んだ、帰れなかった我が家に戻ることができた、今まで懲悪の援助をしてくれたスーザンの死、指輪、かつての仲間、などなど)、監督としては次回作の構想があるらしく、その上イコライザー2も興行的に成功してるっぽいので続編あるかもしれません。どうなんだろ、もう妻とか友人とかのしがらみはなくなったからそれこそ必殺仕事人とか水戸黄門とかみたいにエンターテイメントになるのかも。

 

まぁダラダラ書いてきましたが、前作とはちがったベクトルでおもしろいイコライザー2、ぜひ見てみてください。本当にダラダラ書いちゃったな。トホホ。