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映画感想 - ヴェノム

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映画『ヴェノム』 | オフィシャルサイト | ソニー・ピクチャーズ

 

【あらすじ】

おれ、エディ・ブロック!社会の闇を暴く正義のジャーナリスト!ある日すごい勢いで成長している財団の代表に「危険な人体実験にホームレス利用してない?」とか取材したらもう大変!核心に触れちゃったみたいで職も恋人も失ってしまった!内部告発者の手引きで研究所に潜入したらやべー黒いネバネバが体内に入っちゃうし、それ以来頭の中で声が聞こえたり食欲が止まんないし、これからおれ(たち)、どうなっちゃうの〜!?

 

【感想】

マーベルの人気ヴィラン、ヴェノムが主人公の実写映画。マーベルコミックが原作ではあるけど、これまでのアベンジャーズとかスパイダーマンホームカミングとかの「マーベル・シネマティック・ユニバース」とは関係のない作品らしい。なので今後スパイダーマンとの絡みもなさそう。

 

主演はマッドマックス怒りのデス・ロードやウォーリアーなどで「寡黙でどこかイかれてる男」役を演じたトム・ハーディ。エディが後先考えず突っ走ったせいで仕事を失って、婚約してたのに別れることになるヒロインはグレイテストショーマンでヒュー・ジャックマンと結婚するミシェル・ウィリアムズ、財団の代表でヴェノムなどの地球外生命体に人類の先の進化を見出すやべーやつ役ナイトクローラーでバイトの青年を演じたリズ・アーメッドが出演。そして監督はゾンビコメディ映画ゾンビランドルーベン・フライシャー。映画詳しいっぽい文章で申し訳ないんですが、この段落で挙げた映画五本のうち見たことあるの最初の二本だけです。

 

で、感想なんですが、一言で言うと「ダークヒーロー、ヴィランらしからぬ爽やかさ」を持った作品でした。

 

なんだろう。予告編を見た限りでは「地球外生命体に寄生されたトム・ハーディが、ヴェノムとなって街中を暴れまわり、なんとか止めないと〜!って思いつつ破壊衝動に身を任せる快感を知り…」みたいなダークヒーローものかと思いってたんですが、いざ見てみるとかなり王道な勧善懲悪下克上バディものアクション映画になってました。それこそ子供でもファミリーでも見られるような。

 

ヴェノムは外見や声と桁外れのパワーなどはバケモノじみてるんですけど、性格に関しては地球外生命体としての異物感・分かり合えない感はほとんどなくて、エディブロックともすんなり同居できてるんですよね。ヴェノム側からも「お前が気に入った」とか言われてるし。この映画オリジナルの設定なのかヴェノムに「シンビゲートの中でも落ちこぼれ」っていう属性がついていて、それゆえに仕事も恋人も失ってどん底に落ちたエディブロックとの相性がよくなっている。2人で起こすぞ下剋上

 

ヴェノムとしては安定して寄生できるから・負け犬で気が合うから寄生してるのは分かる。エディブロックがヴェノムを受け入れたっていう心理描写があんまりないのが不満。そこらへんの葛藤はあるはずなのに意図的にぼやかされているような気がする。PG12にするためなのか、やけにカラッとしてるんだよな〜。掘り下げれば重厚なダークヒーローものができるんだとは思うけど、それやったら一部のファンしかついてこれないと判断したのか。

 

PG12になったのはターゲットをファミリー層にしたからなんだろうけど、やっぱり残念。単純にヴェノムらしさが目減りしたと思う。特に残虐描写がほぼほぼないことは期待はずれにも程がある。地球外生命体のヴェノムにとって人間なんて虫けらみたいなもので、貫いたり潰したり摩り下ろしたり切断したり、いろいろと絶対にされたくない攻撃をするんだけど、そのどれもが全然カメラにうつらない。血もほとんど出ない。全然リアルじゃない。ヴェノムだからこそ、つまり地球外生命体でヴィラン出身のダークヒーローだからこその魅力が一個なくなってしまっている。ヴェノムのアクションによるダメージがマイルドになっているっていうのは、やられている人間たちがマヌケに見えるという影響も出てしまっていて、なんだかちゃちく感じてしまう。残念。

 

しかしアメーバ状のヴェノムを活かしたアクション自体は新鮮でとてもよかったな。特に、エディブロックに取り憑いてすぐのころ、ヴェノムと一体化して人型になる前ぐらいかな。そのときの、 ヴェノムがエディブロックの身体を勝手に動かしたり、アメーバの身体を伸ばしたり付着させたりして交戦するところ。何が起こってるのかわからない中、敵がどんどんやられていくのめちゃくちゃクールでした。スパイダーマンの糸のアクションはスパイダーマンでしか見られないわけだけど、それと同じように、ヴェノムのこういうアクションはヴェノムのオリジナリティなわけで。実写化する価値はこれだけでも十分あったと思います。

 

そういう感じで、ヴェノムらしさが表れてるところは素直によかったです。主人公の心理描写とかほかのところもヴェノムらしくあってほしかったのだけど、それはまぁしょうがないのかな〜。

 

「落ちこぼれの地球外生命体&婚約破棄された無職男 vs ヴェノムたちのリーダー & 傍若無人のエリート」っていう図式で勧善懲悪下剋上ものになったのはスパイダーマンを出せないっていう権利上の問題もあったからなのかな。まぁ悪くはないけど、シンビゲート同士の戦いは暗くてどっちがどっちか、何をしているのかよくわからなかったし、ヴェノムが素直に悪者退治か〜という物足りなさもありましたとさ。

 

そんなわけで、ちゃちく感じるところはあったし若干物足りないけど、ヴェノムならではのかっこいいアクションなどのいいところをしっかりと抱きしめたいと思います。おわり。エミネムのテーマソングもカッコよかったと思う。

 

Venom: Dark Origin (English Edition)

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