トロログ

トロニーのブログ、略してトロログ。

詩人 小林大吾

好きなものアドベントカレンダー、ルル日目です。認めたくないよ、もうこのアドベントカレンダーがとっくに破綻してるってこと…。今日は好きなアーティスト、小林大吾について紹介します。

 

 

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詩人・小林大吾について

小林大吾という人がとても好きです。何者かというと、詩人、ポエトリーリーディングアーティスト、ビートメイカー、グラフィックデザイナー、タイル会社営業部主任、りんごジャムプロデューサー…結局何をしている人なんだ?わかりませんが、主にポエトリーリーディングを中心に活動している人です。

 

ポエトリーリーディングっていうのはめちゃくちゃざっくり言うと自作の詩を朗読することです。本当に野球もサッカーも卓球も同じ球技って一括りにするくらいのざっくり加減なのですが、パフォーマンスする人によってかなり幅広く個性があります。小林大吾の場合は彼の愛好しているソウルミュージックからサンプリングしたビートに詩を載せることが多く、個人的にはヒップホップと近いと思って聞いています。

 

楽曲について

とか言ってもよくわからないと思うので、とりあえず聞いてみてください。

 

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詩人の刻印収録

 

そうなんですよ。めちゃくちゃカッコいいんですよ。軽やかでシンプルなビートの繰り返しの上で、叙情的なユーモアのこもった詩。テンポは早すぎず、詩はほどよく韻を踏んでいて、なにより声が心地いい。いくらでも聞いていられます。ビートのループが複雑すぎないのは本人曰く「MPC(サンプラーシーケンサー)の使い方がよく分からない」とのことなのですが、むしろそのおかげで彼の本分である詩が引き立っているのではないでしょうか。しかしビートは特別なことをしていないながらもサンプリングの使い方が上手で、特にサビ、サンプリング元の歌とリーディングの絡み合いなんてたまらないと思うのです。いい曲。

 

デザインについて

これだけでも小林大吾の魅力は十分伝わると思いますが、彼が更にすごいのはすべての工程をほぼ1人でやっているところ。すべての工程というのは詩とビートはもちろん(もちろんじゃない気もする)、ジャケットなどのデザインもすべて自分でやっているということです。

 

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小数点花手鑑収録

例えばyoutubeで公式に上げられている動画のサムネイルもそうだし、

 

小数点花手鑑

これとか

オーディオビジュアル

これとかのアルバムジャケット、そして中の歌詞カードのデザインもすべて小林大吾自身がやってるんですよね。レオナルド・ダ・ヴィンチか?

 

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デザインもやることの利点は大きくて、例えばこの「より良い転落のためのロール・モデル」という曲の歌詞は、曲中に出てくる“11674段あるスイスの階段”と、そこで足をすべらせた“丸山”を大胆に組み込んでます。こういった組版の面白さがいろんなところで出てる。

 

グラフィックデザイナーの面はこのSUZURIでもよくわかるので、ぜひ見てみてください。結構種類あります。

suzuri.jp

これらのデザインも古新聞や古雑誌からのサンプリングが多くて、ある種の一貫性を感じますね。個性的なコラージュと色使いがかわいらしい。ちなみに、これらのデザインが高じてクリープハイプなど、別のアーティストのグッズやジャケットをデザインしたり、本の挿絵とかも書いているようです。なんなんだ。

 

文章について

小林大吾の一番好きなところは、楽曲の心地よさ(ビート、詩、声のすべてがスムース)なんですけど、それと同じくらい好きなのが彼のユーモアのある文章。すごく優しいような、時に近寄りがたいような、でも温かみがいつでもある素敵な文章なんですよね。

 

それは詩以外の文章もそうで、例えばさっきのSUZURIの各商品の説明文。いちいち世界観があって、何も買う気がなくても楽しいです。それとブログ。

 

diagostini.blogspot.com

 

書いている内容はもう他愛なくてぼくの好きな感じなのですが、些細な記事でも一つ一つの言葉が丁寧に選ばれてそこに置かれているような、淀みのない文章です。本当に読みやすいしおもしろいしで、そういう文章を書ける人間になりたいな〜って思ってしまうんだよな。

読者からの質問に回答するエントリ、「ムール貝博士のパンドラ的質問箱」はもう300近くあるのだけど、これもいいんだよな〜。しょうもない質問にも、割とシリアスな相談にもほどよい距離感とユーモアを持っています。でも基本的に優しいんだよな。

diagostini.blogspot.com


あと美味しい目玉焼きの作り方とかも紹介しており、彼のブログで一番のアクセス数を叩き出しているとのことです。なんなんだ。

diagostini.blogspot.com

 

おわりに

小林大吾の活動は結構まばらで、CDの刊行ペースも四五年に一枚出たら良い方だし、ライブも精力的にやる年と一切やらない年とがあります。今年は割と精力的な方で、椎名純平、タケウチカズタケと3人でツアー回ったりしてました。個人的にはそろそろ新しい個人名義のアルバムを出してほしいのですが、すべての工程を1人でやるわけで、まぁなかなか大変なんだろうな〜。いつまでも待ちますが…。

 

最後、好きな曲いくつか紹介して終わります。試しに聞いてみてください。

棘 tweezers

棘 tweezers

  • provided courtesy of iTunes

小林大吾を好きになったきっかけの曲で、今でも一番好きな曲。ほぼ2ループしかないのにピアノのメロディが耳に残る非常に印象的なビート、淡々としたリーディング、投げやりで寂しげな、それでいて少しだけ優しい詩。このファースト・アルバムは小林大吾の作品のなかで唯一apple musicでも聞けるのでぜひ。 鉄工所の夜と千年も好きだし、Interludeの短い曲がいくつか入っているのだけど、それらもいいんだよな〜。本当にオススメです。ぜひ。

 

最新のアルバム、小数点花手鑑(しょうすうてんはなのてかがみ)の中からこちらの曲。

www.youtube.com

巨大なヒーローと怪獣の格闘を描いた曲。割と剣呑なテーマなのに詩は諦めとため息に満ちていて、一方でビートは優雅。ユーモア全開の楽しい曲です。後半に登場する人物は他のアルバムにも出てきます。小林大吾の曲はこんなふうに曲同士でリンクしてたりして、聞いているとニヤリとすることも。このアルバムの曲は下のサイトで試聴できるのでぜひ。

www.wildpinocchio.com

このアルバム全曲いいんですけど、特に七つ下がり拾遺、水蜜桃、より良い転落のためのロール・モデル、石蕗が好きです。歌詞カードの工夫もおもしろいんだよな〜。どうにか見てみてほしい。

 

そんな感じです。本当にオススメなのでぜひ聞いてみてください〜。前、文芸部の後輩に小林大吾を薦めたらあれよあれよとのめり込み、気づいたら後輩自身がポエトリーリーディングを始め、今やライブも開催するようになって驚いたという経験があります。相性もあるのは当然だけど、それだけのポテンシャルが小林大吾にはあるので…ぜひ…

 

 

以上スーッ…日目でした。

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