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映画感想 - LUCY

なんか知らんが、急に英語が聞き取れるようになってウケる。洋画を見ていて気がついた。不思議とすらすらセリフが理解できてしまうのである。なんなんだ。語学の才能花(さいのうか)でも咲いたんか?(花さか天使テンテンくん)と思ったが、実際はそうではなく、単にスカーレット・ヨハンソンの英語がめちゃくちゃ聞き取りやすいだけでした。そんなわけでリュック・ベッソン監督の「LUCY」を見た。

 

LUCY/ルーシー (字幕版)

LUCY/ルーシー (字幕版)

 

 

不運な出来事に巻き込まれ、過剰に薬物を摂取したルーシー。それをキッカケに、脳の使用領域が常人の域を超える。というのがこの映画のあらすじ。

「人間は脳の7%しか使用していない」的な論説がたまにあるが、だいたいがその後に「もし全ての領域を使用することができたら?」的な文言が続く。制約から解き放たれた脳は、身体の潜在能力をすべて引き出すことができるというのである。まぁ身体能力の向上は脳が身体にかけていたストッパーが外れて…とか、記憶から分析された、人体にとって最適な動きをすることができるから、とかって納得もいくのだが、サイコキネシスとか電磁波の操作なんていう超能力的なことまでできてしまうのってどうなんですか?

 

どうなんですか?とか言われても困ってしまうと思いますが、LUCYも例に漏れずそんな作品で、序盤で覚醒したルーシーはそれまでのいい加減なダメ人間っぽさの消え去った、どこか機械のような表情に変貌する。ためらいもなく彼女を拘束したマフィアを殺戮し、漢字で書かれた看板でも読み取ってしまう。

個人的にこの映画で一番テンションが上がったのがここらへんである。常人の域を出たルーシーが、自分の手に入れた能力を徐々に開示する手順がとてもよい。見栄えがして、道理に適っている。

 

マフィアに拘束され、暴力を振るわれた拍子に覚醒→並外れた身体能力と冷静な状況判断でマフィアを一掃→負傷を治療するために病院に向かう、という一連のシークエンスが本当に自然。「まぁそうなるわ」とか「オッやっぱり」とか「だよな〜」とか言ってるうちに物語が展開していくのは非常に気持がいい。これって実は簡単なことではなくて、できの悪い映画だと「いや…そんなやつおるか?」と疑問符が飛び出したりする。キャラクターが印象にそぐわない行動をしたり、単純に愚かとしか思えない行動をする。もしくはご都合主義的な場所や状況にいつの間にか移行していたり。LUCYはそういったノイズが少ないのがいい。まぁ後半結構「ン?」ってなるけど…。

 

とにかく、こういう感じでスムーズに映画を見せる工夫は他にもあって、例えば冒頭のシーンでスカーレット・ヨハンソンのシーンに挟まれるサバンナと学会の映像がその一つだろう。登場人物や状況のアナロジーのように、しかし唐突にカットインされることで、映画にテンポとユーモアを与えている。そして映画自体が89分と短くまとまっていて、最後まで息切れせずに物語が動いていく。脳の覚醒で身体能力が上がり、ある種の超能力まで身につけるという、ほとんど異世界転生モノみたいなストーリーではあるが、スマートな工夫で良質なエンターテインメント映画にきちんと仕上がっていると思う。あとスカーレット・ヨハンソンが綺麗だし演技うまい。

 

ストーリー自体は前述したとおり、脳が解放されたからって超能力が身につくことが納得いかず、まぁ…そっすね…としか言えないが、しかしその描写は非常におもしろい。例えば携帯電話で送受信される音声やデータを傍受できるようになるのだけど、このときの「UI」がいい。個々人の携帯電話から天上にカラフルな光が伸び、それをかき分けたりつまんだりする仕草をするのだ。実際意味わからんというか、そんなことする必要のない、見た目が映えるからやってると思う描写ではあるが、しかし案外、脳が発達したら情報の処理はそういう風にデザインされるのかもしれない、なんて思ったりした。進化というのは従来では見えない情報が見えるようになることかもしれない。

 

まぁ基本的に娯楽映画である。上映時間も短いし、気軽に見るといいと思う。スカーレット・ヨハンソン、英会話の先生になってほしいな。